Friday, August 26, 2022 11:50 AM

Tモバイル、スターリンク人工衛星による5Gを試験へ

 携帯電話サービス大手Tモバイル(T-Mobile)は8月25日、イーロン・マスク氏が起業した宇宙開発新興企業スペイスエックス(SpaceX)のスターリンク(Starlink)人工衛星サービスを使って、一部の米国内携帯電話利用者らのスマートフォンと人工衛星を直接接続する高速無線インターネット接続を提供する計画を発表した。

 ロイター通信によると、既存サービスと並行して提供される同計画では、中継塔を必要とせず、電波が届かない場所でのスマートフォン利用に際し、テキスト・メッセージや画像の送受信のほか緊急連絡を確実に実行可能にする、とマスク氏は説明した。

 スターリンクの人工衛星群は同提携のもと、Tモバイルの中間周波数帯域(ミッドバンド=108~170MHz)を使って新たな5G通信網を構築する。両社は、2023年末までに開始される試験運用でテキスト・メッセージング・サービスから始める計画だ。

 スペイスエックスは、2019年以降に3000近くの地球低軌道人工衛星を打ち上げてきた。同市場では、ワンウェブ(OneWeb)やアマゾン(Amazon)のプロジェクト・カイパー(Project Kuiper)との競争があり、人工衛星の数とサービス規模においてスターリンクがそれら2社を圧倒している。

 スペイスエックスが次世代ロケット「スターシップ(Starship)」の開発を終えると、同社は次世代のスターリンク人工衛星群を地球低軌道に追加で乗せる計画だ。従来型より大きなアンテナを搭載するそれらの人工衛星群が軌道に乗せられると、Tモバイルの携帯電話通信網を使うスマートフォンとスターリンク人工衛星が直接接続し、地球上の通信塔を使わずにスマートフォンによるインターネット接続が可能となる。

https://www.reuters.com/business/media-telecom/elon-musks-spacex-t-mobile-us-plan-boost-cellular-coverage-space-2022-08-26/