Wednesday, December 21, 2022 11:47 AM

ステレオラブス、360度の立体認識カメラの新製品を発表

 ステレオ・カメラ(立体写真カメラ)を開発するステレオラブス(Stereolabs)は、新製品「ZED-X」を12月19日に発表した。

 フォー・コンストラクション・プロス誌によると、同製品は、ロボットの自律移動や工程の自動化といった用途を想定しており、屋内と屋外の両方での使用が可能だ。建設や物流、農業の現場用で商業ロボットとして使われる応用法も視野に入っている。

 ステレオラブスは独自のソフトウェアも開発している。同社のプラットフォームを使えば、ZED-Xカメラを複数使って立体的空間データをとらえ、複雑な環境での障害物の検出やロボットの自律移動に役立てることができる。

 ZED-Xは、防水および防塵規格のIP66に準拠するアルミニウム製筐体に、GMSL2接続や複数カメラの同期化といった機能が搭載されている。「ZED SDK」および「ZEDハブ(ZED Hub)」というプラットフォームと併用することで立体認識能力が実現する。360度の深度認識や位置検出、物体検出、スケルトン・トラッキング(骨格追跡)が可能だ。

 ZED-Xは、産業用ロボットの大量生産を開始しようとする製造業者に向いている。ZED-Xには、標準と小型の二つのサイズがある。ロボットの自律移動であれば20cmから20m、物体検出の場合には8cmから12.5mまでの幅に対応する。たとえば、農業用自動トラクターでは、走行目的として標準サイズを搭載し、作物検出用に小型サイズを搭載するといった使い方ができる。

 ZED-Xは、エヌビディアのスーパーコンピューター「ジェットソンAGXオリン(Jetson AGX Orin)」での使用にあわせて最適化されている。そのため、インテリジェントなワークフローに統合でき、試作ロボットの導入段階から本番環境への実装までの流れを加速させる。ジェットソンのモジュール1個でZED-Xカメラ4個を制御できる。

 複数カメラを管理するプラットフォームのZEDハブ、およびZED SDKの4.0版も、ステレオラブスがこのほど市場投入した新製品だ。それらを組み合わせることで、複数のカメラからのデータを自動的に統合して360度の視野が実現する。

 「こんにちのロボットは過酷な環境においても自律移動して、状況にすばやく対応する必要がある。産業用途に耐えうる手ごろ価格の全方位立体認識ソリューションは、次世代のロボティクスやスマート分析の大規模導入に際して欠かせない」と、ステレオラブスのセシール・シュモールグルーバーCEOは述べた。

https://www.forconstructionpros.com/construction-technology/machine-grade-control-gps-laser-other/product/22591988/stereolabs-stereolabs-launches-3d-robot-camera