Wednesday, July 05, 2023 11:59 AM

アイジェン、除草剤使用を大幅に減らすロボットを開発

 テスラ(Tesla)の元工学者らが設立したアイジェン(Aigen)は、畑の雑草駆除を自動化するロボットを開発した。

 CNBCによると、アイジェン・エレメント(Aigen Element)と呼ばれる同ロボットは、製図机にオフロード用のタイヤ4つをつけたような形状で、畑を時速2マイルで自動走行し、高度の機械視認(コンピューター・ヴィジョン)技術で作物と雑草を見分けて雑草を特定する。雑草を見つけると、地面近くに設置された2軸腕が作動して雑草を引き抜く。雑草は種子を広める前に除去されるため、繁殖せずにその場で枯れて土に返る。農薬を使わずにすむしくみだ。

 アイジェン・エレメントは12~14時間の連続稼働が可能だ。柔軟性のある軽量ソーラー・パネルが製図机のような一面に搭載されている。また、リン酸鉄リチウムイオン電池も搭載しているため、電源に差し込んで充電する必要がない。暗闇でも4時間、小雨であれば6時間の連続稼働ができる。ディーゼル燃料で稼働する農機のように排ガスを出すこともない。

 アイジェン・エレメントは雑草を除去するあいだに、畑のデータを継続的に収集して、健全な作物がどれだけ生育しているかを把握する。酷暑でも稼働し、農業界の慢性的な労働力不足の問題に対応する。

 アイジェンは2020年に設立された。共同設立者のリッチ・ワーデン氏はテスラの元工学者で、ケニー・リー氏はサイバーセキュリティー技術を提供するプルーフポイント(Proofpoint)で製品責任者を務めた経験がある。

 米環境保護庁の統計によると、2012年に米国内で使われた農薬は11億ポンド以上に上り、除草剤はその60%近くを占めた。

 農業の農薬依存を減らすことは、ワーデン氏とリー氏にとって個人的な体験に根差した目標だ。ワーデン氏はミネソタ州の農家に生まれ、1型糖尿病の患者でもある。その診断を受けて以来、環境の健全性についてつねに考えるようになった。リー氏は非ホジキンリンパ腫の闘病と克服の経験を持ち、健康と環境保全の両方に関心を寄せている。

 同社はこれまでに約700万ドルを資金調達したほか、アイダホ州からの助成金も獲得した。両氏は今後、アイジェン・エレメントの製造台数を増やすと同時に、ほかの自動化機能も追加していく計画だ。

https://www.cnbc.com/2023/06/30/ex-tesla-engineer-builds-aigen-robots-to-get-weeds-without-pesticides.html