Friday, September 08, 2023 6:52 AM

ボッシュ、EV向け800V製品の生産を開始

 ボッシュは、電圧800ボルト(V)対応技術を使った新しいパワートレイン・ソリューションの生産を開始した。これにより電気自動車(EV)の充電がより急速化され、車の電動化がさらに進むと期待される。

 同社のプレスリリースによると、800V版のインバーターは、炭化ケイ素(SiC)半導体をベースにしているため効率が向上し、結果的にEVの航続距離が改善される。また800Vの電気モーターは出力密度が高いため、重量が軽減され、よりコンパクトな設計が可能になる。モーター(ローターとステーター)など、このパワートレインの可動部品は最初にドイツの高級自動車メーカーが使用する。

 近年は業界標準として400V技術が広く定着しているが、同じ電流で電圧が2倍になれば2倍の電力を供給できるため、ケーブルを細くでき、結果的にスペース、重量、銅の使用量を節約でき、インバーターはよりコンパクトで強力になる。

 このインバーターには、超高純度シリコンの結晶構造に炭素原子を導入したSiCチップが採用され、半導体の電導性が向上。パワーエレクトロニクスで熱という形で失われるエネルギーが50%減少する。またSiCチップは、インバーターの効率を99%まで高めることができるといった今以上の省エネの可能性も提供する。

 ボッシュが量産を開始した800Vモーターの特長は、830ニュートンメートル(Nm)のトルクと460キロワット(kW)の出力。Iピン・バーワインディングの採用により、モーターの効率、コンパクトさ、生産の自動化水準をさらに向上させられる。パワーウェイトレシオは1kg当たり60kWで、出力密度は35%向上。また電気モーターで発生する熱を効率良く逃がすため油冷機能を備えており、長距離や商用車でも継続的で強力な作動を保証する。

https://www.bosch-presse.de/pressportal/de/en/a-more-efficient-drive-a-faster-recharge-257544.html