Thursday, December 28, 2023 11:54 AM

ニューヨーク・タイムス、オープンAIとマイクロソフトを提訴

 ニューヨーク・タイムスは12月27日、オープンAI(OpenAI)とマイクロソフト(Microsoft)を著作権侵害で提訴した。生成人工知能を訓練するために多くの作品を無断で使うことの違法性が複数の裁判で争われるなか、タイムス紙が両社を訴えたことで、激化する法廷闘争に新たな戦線が開かれた。

 ニューヨーク・タイムスによると、同新聞は、チャットGPT(ChatGPT)やほかの生成人工知能を開発したオープンAIを提訴した最初の米主要メディアとなった。同社を訴えている原告らはおもに個々の作家たちで占められる。

 タイムス紙は、これまでに掲載した数百万件の記事をオープンAIが生成人工知能チャットボットの訓練に許諾なく使ったため、記者やタイムス紙の著作権や版権を侵害したと主張し、マンハッタンの連邦地方裁判所に訴状を提出した。

 同訴訟には、具体的な賠償請求額は含まれていないが、「タイムス固有の価値ある著作物を違法に複製し使用した」ことで、「数十億ドルの法的および実際の損害賠償」についてオープンAIは責任を負うべきだ、と同紙は主張している。

 タイムス紙はまた、チャットボットのモデルや訓練データを破棄することもオープンAIに求めている。

 マイクロソフトはオープンAIに130億ドルを投資しており、オープンAIの約49%を所有する最大株主だ。マイクロソフトとオープンAIは取材に応じなかった。

 チャットGPTは、インターネット上から広くかき集めた膨大な量のコンテントをモデル訓練用データとして断りなく使っている。そのなかにはさまざまの記事や詩、脚本、そのほか数えきれないほどのオンライン・テキストが含まれる。

 私企業であるオープンAIの企業評価額は800億ドル以上と算出される。

https://www.nytimes.com/2023/12/27/business/media/new-york-times-open-ai-microsoft-lawsuit.html