Tuesday, January 07, 2025 6:22 AM
トヨタ、助成金450万ドル確保〜電池の循環型サプライチェーン構築へ
トヨタは、使用済み電気自動車(EV)用電池パックの分解と再製造作業を自動化し、最終的にそれらを再利用するための研究用に、連邦政府から450万ドルの資金を受け取る。
グリーンカー・リポーツによると、この資金はエネルギー省エネルギー高等研究計画局(ARPA-E)の「長寿命先進充電池の循環的利用のための革新的研究(CIRCULAR)」プログラムから提供される。同プログラムは、EV電池を中心とした米国内の循環型サプライチェーン(供給網)の構築支援を目的とする。
循環型サプライチェーンの実現には、可能な限り材料を再生・再利用することが重要になる。しかしトヨタによると、EV用電池に関しては、電池パックの分解とパックに収納された電池の単体(セル)を劣化度に応じて分類するといった作業に時間がかかり、それが再利用を難しくする要因になっている。
トヨタの研究プロジェクトは、北米トヨタ研究所(TRINA)が統括し、パック分解工程の自動化、回収されたセルとモジュール(セルの集合体)を分類する診断ツール、それらの部品を新しいエネルギー・システムに変える再加工技術の構築を目指す。
CIRCULARの資金援助を受けるのは13社で、そのうちトヨタを含む数社がプロセスの自動化を目指している。ほかにはコロラド大学が人型ロボットとロボットアームを使用した電池パックの分解技術をテストするために180万ドルを受け取り、BMWは構造的完全性やエネルギー密度を損なわずにロボットによる迅速な分解を可能にする電池パックの開発のために440万ドルを受け取る。
電池が材料として分解・処理される前に、第2の用途で再利用できるようになれば製品の全体的な二酸化炭素(CO2)排出量が減り、処理過程で発生するすべての環境コストと費用を削減できる可能性がある。
日産「リーフ」からポルシェ「タイカン」まで、さまざまなEVの電池がすでに二次利用されている。トヨタと電池リサイクルのレッドウッド・マテリアルズとの提携もこうした取り組みの一つで、その結果として全米の車両解体業者を通じて「プリウス」の電池のリサイクル支援活動が行われている。
レッドウッドはエネルギー省から20億ドルという巨額の融資を受けており、それに比べるとトヨタの取り組みは規模で劣って見えるが、電池リサイクルでは必要不可欠な作業であり、同社のプロジェクトによって将来のEV電池パックの分解が容易になれば、再利用とリサイクルの両面に利益をもたらす可能性がある。