Wednesday, February 19, 2025 6:10 AM

24年の新規導入電力、90%が再生エネ

 2024年に米国で新たに導入された発電施設(出力換算)の90%以上が、太陽光、風力、地熱、水力、バイオマスといった再生可能エネルギー関連だったことが連邦エネルギー規制委員会(FERC)の統計で分かった。

 エレクトレックによると、12月は、太陽光発電105基(4369メガワット=MW)、風力発電2基(324MW)、バイオマス発電2基(45MW)が新しく稼動し、合計で全新規導入電力の86.9%を占めた。残りの717MWは天然ガス火力発電所だった。

 24年通年では、太陽光発電で3万816MW、風力発電で3128MW、水力発電で213MW、バイオマス発電で51MW、地熱蒸気発電で29MWが加わり、新規導入電力の90.5%を占めた。残りはジョージア州の原子力発電所「Vogtle-4」(1100MW)、天然ガス火力(2428MW)、石炭火力(13MW)、石油火力(11MW)、その他(28MW)が占めた。

 太陽光発電は、12月の新規導入電力の80.1%、通年では81.5%を占めた。また、太陽光発電が月間新規電力の最大構成比を占めるのは、23年9月以降16カ月連続。現在、太陽光発電(10.2%)と風力発電(11.7%)を合わせると電力会社規模の発電能力全体の5分の1以上を占めている。

 ただ、米国の太陽光発電施設の約30%は、家庭用などFERCの統計に反映されない小規模システムが占めており、これを含めると太陽光および風力発電の電源構成比は米国全体の4分の1に近づく。水力(7.7%)、バイオマス(1.1%)、地熱(0.3%)を含めた再生可能エネルギー全体では全電力の31.0%となり、小規模ソーラー発電施設を含めると約3分の1になる。

 米国の太陽光発電の電源構成比は過去10年間で10倍に伸びており、近く天然ガスに次ぐ米国第2位の電力供給源になると見込まれる。FERCは、25年1月〜 27年12月の太陽光発電の「高確率」純増設量を9万1558MWと見ており、予測される風力発電(2万3601MW)、水力発電(1345MW)、地熱発電(90MW)、バイオマス発電(61MW)の伸びを合わせると全ての再生可能エネルギー発電の「高確率」新規設置量は計11万6655MWとなる。

 一方、FERCの3年予測では原発の新規増設はなく、石炭、石油、天然ガスはそれぞれ2万3925MW、2293MW、833MW縮小する見込み。