Thursday, March 20, 2025 6:53 AM
リー、収入7.7億ドル見込む〜次世代車の技術ライセンスで
モジュール式EV技術を開発するイスラエルの新興企業リー・オートモーティブ(REE Automotive)は、自動運転車(AV)の製造を支える技術のライセンス契約1件を通じて2030年までに最大7億7000万ドルの収入を見込んでいると発表した。
ロイターによると、バンのレンタル大手ユーホール(U-Haul)や仏航空機大手エアバスなどを顧客に持つリーは、すでにある企業(社名は非公開)と仮契約を締結しており、近く正式に契約を結ぶ予定。契約相手はモビリティー・ソリューションを開発する企業で、2027年から自動運転の乗用車を数千台規模で生産するためにリーの技術を使用するという。
リーはこれまで、いくつかの新興EV企業の成長を妨げてきた製造のための高額な投資はせず、技術のライセンス供与を通じて成長を目指しており、今回の契約は黒字転換に向けた足がかりになる可能性もある。
リーの技術は、車をソフトウェアがその価値を決める乗り物(SDV)に変える技術で、走行性能・安全性・エンタテインメントといった車載機能の大部分がソフトウェア制御になり、機能をゾーンごとに集約することで配線が簡素化され、自動運転機能を統合しやすくなる。
リーは今回の契約によって、2025年下半期からソフトウェアとサービスからの収入が生まれると期待する。同社は現在、1億5000万ドルの受注残を抱えており、今回の契約が成立すれば受注総額は約10億ドルに達するという。
ダニエル・バレルCEOは「材料費レベルでは数百台規模で収支が合うようになり、EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)レベルでは数千台で黒字化が見込める。この契約はその達成を後押しする。車両製造からソフトウェアとサービスによる売り上げへとシフトが進めば、自然とソフトウェア企業並みの高い利益率が見込めるだろう」と話している。