Tuesday, September 23, 2025 7:06 AM
トラック製造業、関税によるコスト増への対応模索
米国の大型トラック業界では、トランプ政権の関税政策によって製造コストが上昇した結果、メキシコから部品を調達するメーカーが増えている。
◇USMCA準拠なら有利
ロイターによると、米国のトラックメーカーは現在、連邦通商拡大法232条に基づいて鉄鋼、アルミ、銅派生品の輸入品に課される50%の関税に直面している。さらにパッカー(Paccar、ワシントン州)などは、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に準拠しない部品を輸入していることからも関税の打撃を受けている。
これに対しダイムラー・トラックやフォルクスワーゲン(VW)傘下のトレイトン(Traton)は、メキシコで製造することでこれらの関税を回避し、米国内で製造する他社に比べてコスト面で優位に立っている。
北米市場向けに旧ナビスターの子会社インターナショナル・モーターズを運営しているドイツ拠点のトレイトンは、USMCAのおかげで完成車の大半を無関税で米市場に輸出できると話している。ダイムラー・トラックも、メキシコでUSMCAに準拠した二つの工場を運営し、大型の「フレイトライナー・カスケイディア」や中型の「フレイトライナーM2」を含む幅広いモデルを生産している。
USMCAは、鉄鋼などの原材料、エンジンや車軸といった部品の製造および組立作業を含め、車両価格の64%以上が北米で行われている場合に限り、米国・メキシコ・カナダ間での無関税取引を認めており、2027年にはこの割合が70%に引き上げられることになっている。