Tuesday, October 21, 2025 7:18 AM
TSMCなど、AI使ってAI半導体を省エネ化
半導体大手エヌビディアなどを顧客に持つファウンドリー(半導体受託製造)世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は、人工知能(AI)向け半導体の電力効率を約10倍に高めるための新戦略を発表した。
ロイターによると、データセンターやスマートフォン、自動運転など幅広い分野で活用されているAI半導体は、電力を大量に消費する。エヌビディアの最新AIサーバーの場合、難しい電算処理には最大1200ワット(W)の電力を消費し、常にその状態で稼働させると消費量は米国の一般家庭1000世帯分に相当する。
TSMCは、新世代半導体のエネルギー効率を設計で改善する考えで、異なる技術を用いた複数のチップレット(半導体の小片)をコンピューティングの機能別に組み合わせる手法を採る。ただし、こうした技術を生かすには設計段階が極めて複雑になるため、半導体を設計する企業はケイデンス・デザイン・システムズやシノプシスなどが提供するAI搭載ソフトウェアに頼るようになっている。両社ともTSMCと協力してAI搭載ソフトを開発しており、最近それぞれの新製品を発表した。
TSMCのパートナー企業が提供するソフトウェアは、一部の複雑な設計課題で同社のエンジニアよりも良い解決策を見つけ、かつ格段に速く結果を出している。TSMCの3DIC(3次元積層集積回路)メソドロジーグループ副主任ジム・チャン氏によると、このAIソフトは設計者が2日かかる作業を5分でこなすという。