Friday, December 02, 2016 11:13 AM

老朽化した火力発電所をデータ・センターに〜アマゾン、イタリア電力大手と交渉

 クラウド・サービス事業の拡張をイタリアで目指すアマゾン(Amazon)は、イタリア北部および中央部の古い発電所をデータ・センターに改築することで、地元電力会社のエンテル(Entel)と協議を開始した。関係筋によると、両社は早ければ数ヵ月以内にも契約を締結する可能性がある。

 アマゾンは、クラウド基盤施設サービス市場の世界最大手で、2016年第3四半期のクラウド事業売上高は前年同期比55%増を記録した。

 同社のクラウド・サービス部門であるアマゾン・ウェブ・サービシズ(AWS=Amazon Web Services)は、すでに投資したアイルランドやドイツ、英国に続きパリ近郊でもデータ・センターを開所する計画を最近明らかにしている。

 フォーチュン誌によると、関係筋の話では、アマゾンはイタリアの発電所改築にあたり、最大10億ユーロ(10億6000万ドル)を投資する見込みだ。

 欧州最大規模の電力会社であるエンテルは最近、特に新興市場での電力小売や再生可能エネルギー、そして送電網運営へと事業の焦点を移行する戦略の一環として、老朽化した発電所の閉鎖を進めており、跡地売却交渉2件が最終段階にあることを明らかにしている。

 アマゾンは、2010年にイタリアで事務所を開設して以降、4億5000万ユーロ以上を同国に投資し、現在1700人を雇用する。7月には、大規模ストレージおよびロジスティクス・センターをローマ郊外に建設する計画を明らかにした。

 一方、国営のエンテルは2015年に、電力需要低下とクリーン・エネルギー化による事業環境の変化を理由に、イタリアで23の火力発電所を閉鎖する方針を明示した。

 関係筋によると、アマゾンとエンテルはイタリア北部の3〜5ヵ所の施設を中心に協議しているもよう。

http://fortune.com/2016/11/30/amazon-data-centers-italy/