Friday, December 23, 2016 9:50 AM

海外サプライヤー、ラストベルト再生に貢献

 中西部のラストベルト一帯に海外から進出したサプライヤーが地域の再生に貢献している。

 オハイオ州モレーンでは、中国のフーヤオ・グラス(Fuyao Glass:福耀玻璃工業集団)が旧GM工場を引き継いだ。オートモーティブ・ニュースによると、2年前の進出からこれまで2000人を雇用したフーヤオは、最終的には3000人を擁し、北米自動車生産の25%に相当するガラスを供給する計画だ。工場投資は10億ドルに上り、2017年末までの完成が予定されている。

 業界は、グレート・リセッションで地盤沈下したが、日本のサプライヤーばかりでなく、テスラ・モーターズや中国のヤンフェン・オートモーティブ・トリム・システムズ(Yangfeng:延鋒汽車飾件系統)、スペインのゲスタンプ(Gestamp)など多くのサプライヤーが工場を新設・拡張した。トランスプラントの中には、倒産に追い込まれたサプライヤーの穴埋めを果たしたり、危機の最中に所有した投資ファンドから獲得された工場も少なくない。

 労働統計局によると、車両生産に伴う雇用は約100万人と、GMがモレーン工場を閉鎖した08年以降で最高水準に達した。一方、業界労働者の全米平均時給は8年前と比べて3%安い。

 それでも現状の人件費は、最近までガラスを中国から調達し、工場から数時間の場所にあるホンダの組立工場に供給しているフーヤオにとっては安くない。フーヤオの製品はメーカーに100ドルから200ドルで購入される。米国フーヤオのジョン・ゴーチエ社長によると、モレーン工場の人件費は中国の5倍に相当する。

 フーヤオはコストを抑えるため、工場で大量のロボットを活用するとともに、ヒトが行う仕事に取って代わる新たな方法を見出すよう従業員に求めている。