Monday, January 23, 2017 10:37 AM
フードスタンプ利用世帯、食費の5%はソフトドリンク
連邦予算740億ドルで運営される低所得者向けの補助栄養支援制度(SNAP)いわゆるフードスタンプの受給世帯が、スーパーでどんな物を買っているかを調べた農務省の初の調査結果がまとまった。
ニューヨーク・タイムズによると、低所得世帯が購入する食品のうち最も多いのはソフトドリンクで、食費の5%を占めることが判明した。果汁飲料、エナジー飲料、甘みを加えたティーなどを含む甘味飲料全体ではほぼ10%を占める。
ニューヨーク大学の栄養学・食品研究・公共衛生学教授マリオン・ネスレ氏は「ある意味、SNAPは何十億ドルもの税金で清涼飲料業界を支援しており、非常に衝撃的」と話している。フードスタンプの利用世帯は全米で4300万軒に上り、多くの州、自治体、医療関係者などは以前から「受給者の栄養状況改善を図ってSNAPの内容を変えるべき」と主張。特にジャンクフードや甘味飲料の購入に対するフードスタンプの使用制限を呼びかけてきた。
しかし、食品や飲料業界は多額を投じてこうした動きに抵抗し、農務省も「特定の食品を禁止することはフードスタンプ利用者に不公平で、形式的すぎる」との理由で制限を求める訴えを拒んでいる。調査結果はSNAP予算が不健康な食品の購入に使われすぎていることをうかがわせるが、フードスタンプを使わない世帯と比較すると、受給世帯の方がジャンクフードの購入量が少し多く、野菜の購入量が少し少ないだけだった。
どちらのグループも甘味飲料、菓子、アイスクリーム、ポテトチップスを大量に購入しており、非受給世帯でもソフトドリンクは牛乳に次いで食品購入量の2番目だった。農務省のケビン・コンキャノン次官は「報告書は、全ての世帯が甘味飲料を消費しすぎていないかという疑問を投げかけている」と話している。
調査は、あるスーパー大手(社名は非公表)が提供した2600万以上の世帯の2011年の月別食品購入データを基に行われた。このうち約300万世帯がレジでSNAPのカードを使ったが、どの支払いにフードスタンプ、現金、またはその両方を使ったのかは分からない。