Tuesday, February 07, 2017 10:08 AM

AT&T、スモール・セル・アンテナを設置〜米国初、サンフランシスコで着手

 AT&Tは最近、米国で初めてのスモール・セル無線通信アンテナをサンフランシスコ市内金融街のバッテリー・ストリート沿いの街灯支柱に取り付けた。AT&Tでは、それらのアンテナを湾岸地域(サンフランシスコ湾とその近郊)で計1000個ほど2017年内に設置する計画だ。

 サンフランシスコ・クロニクル紙によると、AT&Tは、モバイル通信の需要に応えると同時に、スマート都市や自動運転車、人工知能といった台頭技術の普及に備えることを視野に入れている。

 「スマート都市機能の応用や自動運転車、人工知能はいずれも、信頼性の高い接続機能、低通信遅延、高速通信を必要とする。そのため当社ではスモール・セルの採用を決めた」と、AT&Tの無線通信網工学責任者サイナン・アッカヤ氏は話す。

 スモール・セル技術は、人口が密集する場所に適している。比較的狭い範囲内で信号を送受信することで、携帯電話(セルラー)通信塔への依存度を低減できる。携帯電話通信塔からの信号は、距離が離れるほど弱くなり、建物や丘の多い場所では信号が妨げられることもある。

 AT&Tが設置するスモール・セル通信アンテナは中央で制御され、通信需要の変動にすばやく対応できる。同社は、サンフランシスコ市内だけで年内に280機を設置する計画。それによって約100万人の顧客へのサービスを向上させられる。

 同社はさらに、サンノゼやパロ・アルト、コンコード、ウォルナット・クリークといったシリコン・バレーとその周辺地域にも数百機を年内に設置する。また、ロサンゼルスとニューヨーク市でも年内に設置する計画だ。

 AT&Tはそのほか、高速無線インターネットを電線上で送波するための「エアギグ(AirGig)」という新型装置の開発に取り組んでいる。エアギグは非都市部での用途が想定される。

http://www.sfgate.com/business/article/AT-T-rolls-out-new-wireless-technology-to-improve-10901331.php