Thursday, February 09, 2017 10:52 AM
ネスレ、米本社を移転〜加州からバージニアに
スイスの食品大手ネスレの米国部門は、本社をカリフォルニア州グレンデイルからバージニア州ロスリンに移転する。
ロサンゼルス・タイムズによると、新本社への移転は年内に開始し、2018年末までに完了する予定。1980年代からの本拠地グレンデイルでは現在1200人が働いており、9割を超える約1100人は異動の対象となるが、異動先は750人は首都ワシントン地区、300人はオハイオになる。
ネスレは、工場の75%、主要顧客の85%が米国の東半分に位置しており、移転はビジネスの効率改善が主な理由。ただ業界専門家によると、今回の移転には、政策立案者との距離を縮めたい、親会社の売り上げが伸び悩む中でコストを削減する必要があるなど、他の要因も関係している可能性がある。
ネスレは15年に世界で約900億ドルを売り上げたが、過去3年間は5〜6%という成長目標を達成していない。16年1〜9月期の伸びも小さく、10月には売り上げ目標を4.2%から3.5%に下方修正した。15年の米売上高は256億ドルで、前年の237億ドルから増加した。
加州南部では大手企業の転出が続いており、16年にはカールズ・ジュニアなどのレストランを展開するCKEレストランツ・ホールディングスが本社をカーピンテリアからテネシー州フランクリンに移す計画を発表。15年には半導体のブロードコムもアーバインから州北部サンノゼに移っており、その前年はトヨタが販売・マーケティング本社をトーランスからテキサス州ダラスに移すと発表したほか、石油大手オクシデンタルも本社をロサンゼルスからテキサス州ヒューストンへ移している。