Tuesday, January 30, 2018 10:38 AM
NRELとブロックサイファーが提携
米エネルギー省の再生可能エネルギー研究所(NREL=National Renewable Energy Laboratory)は、ブロックチェーン技術を手がける新興企業のブロックサイファー(BlockCypher)と提携した。両者は、エネルギーのP2P(peer-to-peer)取り引きを管理するブロックチェーン技術を共同開発する。
ブロックサイファーは、クラウドを活用してブロックチェーン用アプリケーションを動作させるプラットフォームを開発している。
ブロック・トリビュート誌によると、NRELとブロックサイファーは、分散型エネルギー源による電力取り引きをブロックチェーン技術で決済する方法を近く実演する計画だ。
当初の試験では、NRELのエネルギー・システム群統合施設にある試験用住宅間で行わ
れるP2P取り引きをダッシュ(Dash)で決済することを目指す。同試験を通じて、取り引きする電力量に応じた技術的な性能やハードウェアの反応、決済処理の速度を評価する。
ダッシュは、ビットコインから派生した暗号通貨だ。運営母体であるダッシュ・コア・グループ(Dash Core Group)のライアン・テイラーCEOは、スマート・メーターをデジタル通貨交換に対応させることで、送電網の効率と安定性を高められると考えている。
「送電網の効率が高まれば、高価な基幹設備の刷新も回避できる。ダッシュは、膨大な量の取り引きに対応しながら、そのコストをきわめて低く保つよう設計されているため、この種の決済に特に適している」とテイラー氏は話す。
ブロックサイファーのカレン・スー事業開発責任者は、同事業で開発された技術が長期停電時に特に重要性を発揮すると説明する。
「同技術は、電力消費が今後も拡大し多くの人が電気自動車や蓄電装置を持つようになるにつれ重要になるだろう」「P2P取り引きによって電力の需給均衡をとり、ピーク時の電圧不足を低減できる」とスー氏は話す。
ブロックチェーンをエネルギーのP2P取り引きに応用する研究&開発事業は、オーストリアやオーストラリア、ドイツ、イギリスでも進められている。米エネルギー省が手がけるものとしては今回の提携が初めてだ。
【http://blocktribune.com/blockchain-p2p-energy-transactions-explored-us-energy-department/】