Friday, February 02, 2018 10:17 AM

衣料ブランド6社、供給網可視化ツールを導入

 衣料品の大手ブランド6社は1日、供給網の透明性を高めるツールを導入した。同ツールは、米天然資源保護評議会(Natural Resources Defense Council=NRDC)と中国の公共&環境研究中心(Institute of Public & Environmental Affairs=IPE)が共同開発し、1月に投入された。

 エンバイロメンタル・リーダー誌によると、ターゲット(Target)とエスプリ(Esprit)、ニュー・バランス(New Balance)、プーマ(PUMA)、ギャップ(Gap)、および、ザラ(Zara)ほか複数ブランドを有するスペインのインディテックス(Inditex)の6社は、IPEの「グリーン・サプライ・チェーン・マップ(Green Supply Chain Map)」を通じて供給業者らの環境実績の開示を始めた。

 6社はそれぞれの供給業者らの一覧をIPEに開示し、IPEがリアルタイムの監視機能を有する中国内工場群のデータベースと照合して地図化機能を提供する。

 「ほとんどの場合、それらの供給網の一覧は以前から開示されてきた。そのため、既存の情報を活用して使い勝手を向上させるのが、この取り組みの狙いだ」と、NRDCのカート・キプカ上席事業管理者は説明している。

 NRDCとIPEは、中国の二酸化炭素排出量の最大25%が輸出用製品の製造業から排出されていると見積もっている。また、製造業は、大気と水質、土壌の汚染原因にもなっている。

 IPEグリーン・サプライ・チェーン・マップには英語版と中国語版があり、各社が情報をリアルタイムで閲覧して、環境に配慮した操業が行われているかどうかを確認できるようにする。

 「工場監査にともなう時間や費用を節約できる」とNRDCおよびIPEは説明している。

 キプカ氏によると、供給網関連のツールはほかにも複数あるが、ほかのツールの多くは任意の時点の情報のみを提供するため、上下変動をすべて把握できない。それに対し同ツールは、リアルタイムの情報を自動的に表示する点でほかよりすぐれている。

 IPEのデータベースは、中国政府が開示しているデータを使い、中国内の約1万5000ヵ所の大手工場の排気および排水状況を記録している。また、ほかの50万ヵ所以上の施設に関する監督記録も持っている、とIPEは説明している。

https://www.environmentalleader.com/2018/01/retailers-supply-chain-map/