Wednesday, August 10, 2016 10:22 AM

データ・センターの水道使用が懸念に〜水不足や施設大型化の傾向を背景に

 水が貴重な資源であるという認識が深まるにつれ、データ・センターの水道消費に対する懸念の声が高まりつつある。

 大型のデータ・センターともなると、冷却用水として年間数億ガロンもの水道を消費する。

 データ・センター・ノーレッジ誌によると、特にカリフォルニア州は、水不足が深刻であるうえ、州内に所在するデータ・センターが800ヵ所以上と、米国のどの州よりも多いことから、水道使用の懸念は大きい。

 その一方で、持続可能性を気にする投資家らのあいだでは、水資源危機を理解しようとする動きが起きている。企業の環境報告を推進するカーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)では、2016年に入って水道関連の報告要件を話し合うために、一連の勉強会を開催した。CDPの水道関連制度に参加している企業の数は、2010年の150社からいまでは617社に増えている。

 企業の側も、懸念があることを認識している。たとえば、フェイスブックでは、データ・センターの冷却に水だけでなく外気も活用している。「典型的なデータ・センターに比べて水道使用量を約半分にするために設計を工夫した」と、フェイスブックの持続可能性責任者のビル・ウィール氏は話す。同社が2015年に公開した持続可能性報告によると、同社の水道消費量は2億2100万ガロンで、うち70%がデータ・センターだった。

 オレゴン州にある同社のデータ・センターでは、雨水を集め、また、トイレや敷地内の散水には再使用水を用いることで、年間27万2000ガロンを節水している。

 データ・センターの環境影響は、今後さらに大きくなると予想される。マッキンゼーの2010年の報告書によると、データ・センターによる二酸化炭素排出量は世界全体の0.2%を占めた。近年におけるクラウド電算の普及によって大型データ・センターの建設は増えている。水道使用に対する懸念は、今後もさらに高まる見通しだ。

http://www.datacenterknowledge.com/archives/2016/08/05/data-centers-water-use-investors-high-alert/