Monday, March 12, 2018 12:20 PM

大型商品の配達で新技術導入〜高級店ニーマン・マーカス

 オンライン小売店が品揃えを増やす中、特注のソファや棚、大型家電など、配送業者が玄関口に置いて帰ってくるだけでは済まない商品をオンラインで買う人が増えている。高級百貨店ニーマン・マーカスは、こうしたかさばる商品の配達問題に対応するため最新技術を取り入れている。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、ニーマン・マーカスでは現在、ブランドの高級感を反映した形で商品を届けることが大きな課題となっている。小売業界では毎月多くの「ホワイトグローブ」と呼ばれる高級配達サービスが行われているが、今は10件に1件以上の割合で住所や電話番号の間違い、配送会社との日程調整ができないといった問題が生じている。

 ニーマン・マーカスのウィリス・ウェイリッチ供給チェーン担当上席副社長は最近の業界会合で、「当社らしい顧客体験を提供できてないことを知った」と認めながら、同社では流通部門と顧客対応部門が連携して対応していることを紹介した。配達の不備は店の収益性低下や将来の売り上げに響く恐れがあるが、後になって分かることも多かったため、同社はコンベイ・ソフトウェア(Convey Software)のクラウド基盤技術を導入して大きな商品や複雑な配達を全て追跡し、問題が起きても配達予定日までに修正できるようにした。その結果、ソフト導入から30日以内に顧客への輸送時間が24%短縮されたという。

 家電、家具など大きな商品をオンラインで買うことに抵抗を感じない人が増えているため、その配達手続きの重要性は高まっている。物流大手XPOロジスティクス(本社コネティカット州)は最近、欧州で大型消費財に合わせたラストマイル・サービスを拡張すると発表。従来の貨物運送業者やトラック会社にも、成長市場と見込んで宅配に参入するところが増えている。

 これは、企業を相手にしてきた物流会社が個人消費者との関わりを深めることを意味し、ウェイリッチ氏は「サプライチェーンが顧客体験に与える影響が拡大している」と指摘する。ニーマン・マーカスではデジタル投資の効果が17年後半に表れ始め、8〜10月期の既存店売上高が4.2%増と四半期ベースでは15年以降初めて増加した。47億ドルに上る同社の年間売上高のうち、約3分の1をeコマースが占め、最近は富裕層もオンラインでお得な買い物を探すようになってきたことを示している。