Thursday, March 29, 2018 10:10 AM
車載センサー不足が原因?〜ウーバー車両の死亡事故
ウーバー・テクノロジーズの自動運転車による死亡事故で、同社の車両は路上の障害物を検出するライダー(レーザー光を使った検出測距装置。レーザー・センサーとも呼ばれる)を1台しか備えていなかったことが分かった。
ロイター通信によると、ウーバーは2016年、自動運転車のベース車両をそれまでの「フォード・フュージョン」から「ボルボXC90」SUVに切り替え、同時にレーダーやカメラのセンサー類を減らしており、ライダーの搭載数も以前の7台からルーフ上の1台だけになった。
5人の元ウーバー社員と、10年前から自動運転技術を研究しているカーネギーメロン大学交通センターのラジ・ラジクマー所長など4人の専門家によると、この装備変更によってウーバーの自動運転車は以前のモデルや他社の車両に比べ死角が増えたと考えられる。
ウーバーが使っているライダーは、自動運転車向けセンサーではトップメーカーの1つであるベロダイン(Velodyne LiDAR、カリフォルニア州)製で、ベロダインのサイトやウーバーのSUVを操作したことがある元社員によると、車の周囲360度の障害物を検出できるが、垂直方向の視認範囲が狭いため地面に近い背の低い障害物は検出しにくいという。
ベロダイン自身も、同社のルーフトップ・ライダーでは車の周囲に約3メートルの死角ができることを認めており、マルタ・ホール社長兼最高事業開発責任者は「歩行者を避けたければ、特に夜間は側面用ライダーが必要になる」と話す。ウーバーと競合するアルファベットの自動運転車開発部門ウェイモの車両は6台、ゼネラル・モーターズ(GM)は5台のライダー・センサーを搭載している。
ウーバーの事故の詳しい原因はまだ不明で、当日のセンサーの機能状況やライダーの死角が何らかの形で関係したかどうかも明らかではなく、地元警察と連邦当局が検証を続けている。