Tuesday, May 15, 2018 10:46 AM

「恐れずに現状打破を」〜アップルCEO、大学卒業式で

 アップルのティム・クックCEOは13日、母校であるデューク大学(ノースカロライナ州)の卒業式で祝辞を述べ、プライバシー問題のほか、銃規制や移民問題など政治的な話題に踏み込んだスピーチを行った。

 ブルームバーグ通信によると、クック氏は「銃暴力の広がりに反対の声を上げ、何百万人ものデモを行ったフロリダ州パークランドの学生らのように」「MeToo、Time’s Upといった女性たち、暗い場所に光を当ててより正しく平等な未来へと私たちを動かしている女性たちのように」「移民の権利のために戦い、貢献したい人を全て受け入れることが未来に向けた唯一の希望であることを理解している人たちのように」 現状に甘んじることなく恐れないで行動するよう、卒業生たちを激励した。

 クックCEOはアップルで、「iPhone X(アイフォーン・テン)」や「Apple Watch」といった重要な新製品、「Apple Music」のようなサービス、自動運転車やAR(拡張現実)眼鏡といった可能性のある新分野の商品開発を統括しており、今やアップルは時価総額が1兆ドル近い世界最大のテクノロジー企業となっている。

 デューク大の祝辞では、特に個人情報保護の問題に焦点を当て、広告の標的を絞り込むために多量の個人データを収集しているアルファベット傘下グーグルやフェイスブックを暗に批判。「われわれはプライバシーを売り渡すことがテクノロジーの最大活用になるという口実を拒否する。このため違う道を選び、顧客データの収集は極力抑え、思慮と敬意を持ってそれを扱う」と話した。