Tuesday, May 29, 2018 11:01 AM
供給管理担当者の賃金が上昇〜企業が厚遇、コスト削減重視で
貨物輸送費や原材料費が高騰する中、企業は原材料や商品をできるだけ安く調達する能力を持ったサプライチェーン担当者の確保に多額を投じていることが、サプライ管理協会(ISM)のまとめで分かった。
ウォールストリート・ジャーナルによると、購買、販売計画、輸送管理などを担当するサプライチェーン専門家の平均給与は2017年に前年比で4.1%上昇した。国内の全労働者の平均時給は17年12月に前年比2.5%上昇し、専門職全体の賃金は3%増だった。インフレ率の上昇や中国など主要国との貿易摩擦などを受け、サプライチェーン専門家の報酬は今後もさらに大きく上昇する可能性がある。
小売店、食品販売、家電メーカーなどの企業は、商品を生産し納品するための燃料費や輸送費などが上昇して収益性が下がっており、コスト増加分を消費者に転嫁することも難しいため、サプライチェーン担当者の役割がますます重要性になっている。
経営陣は、コストを適切に抑えるだけでなく供給網の支障を避けることにも関心を払っている。ISM調査では、17年の収入が10万ドルを超えた供給管理専門家は全体の半分に上り、前年の47%から増加。全体の平均年収はボーナス込みで11万7425ドルとなった。
中〜大規模の製造業や物流会社と取引する人材あっせん会社タレントストリームのスコット・ラトン幹部は「企業は、交渉の仕方や物流コストの節約方法をよく知る専門家を求めており、国際的な貿易や企業を扱う人材を見つけることを重視している」と話す。また、供給網の一部が自動化され人工知能(AI)やブロックチェーンといった最新技術を試す企業も増えているため、IT関連の技術もより重要になっている。特にエンジニアリング専門家は、ドローンやロボットを試す企業も増えているため需要が高いという。