Friday, June 15, 2018 10:29 AM
職場のIT環境改善に遅れ〜企業の顧客重視戦略で
企業が進めるIT戦略が顧客重視に偏りすぎると、自社内のデジタル環境の刷新が後回しになる傾向があるという調査結果を、アリゾナ州のIT企業インサイト・エンタープライジズが発表した。
ウォールストリート・ジャーナルによると、調査はインサイトがハーバード・ビジネス・リビュー・アナリティク・サービシズに委託して行われ、国内のさまざまな業界の企業(約半数は従業員1万人以上の大企業)の経営幹部、マネジャー、コンサルタント約250人を対象に、社員が日常業務に使っている職場のITについて尋ねた。職場のITには、販売、マーケティング、人事に関する革新的なアプリから会議室の予約アプリなど、さまざまなデジタル・プラットフォームが含まれる。
その結果、回答者の55%が「職場のITは、求職者が雇用の誘いに応じるかどうかの判断要因になる」と答えた。また51%は「時代遅れ、または不十分なテクノロジーが有能な労働者をつなぎとめる力に影響を与えている」と答えた。
近年の企業のIT投資はもっぱら顧客に焦点が当てられており、従業員3000人超の企業の最高情報責任者(CIO)やほかのIT幹部を対象にしたハービー・ナッシュとKPMGによる調査では、約55%がビジネスの最優先課題として「顧客体験の向上」を挙げた。
インサイツの調査によると、職場のIT機能の水準が低い最大の理由は「IT予算のひっ迫」で、「システムが古い」「セキュリティ懸念」と続き、IT担当者の約3分の1が「古いテクノロジーへの対応に追われている」という。
社員が職場のITシステムに求めているものは、60%強が「ビジネス情報へのアクセス改善」で、約半数は「職場で使う携帯ディバイスは自分で選択したい」、45%は「ディバイスのソフトウェア設定やインストールはテックサポートなしでやりたい」だった。しかし同時に、3分の1以上は「今のITシステムでは、助けなしで社員が主要なビジネス情報やアプリにアクセスすることは困難か時間がかかりすぎる」と答えた。