Monday, November 19, 2018 9:00 AM

マイクロソフト、ニールセンと提携

 マイクロソフト(Microsoft)と市場調査会社ニールセン(Nielsen)は、消費者向け包装商品(CPG=consumer packaged goods)業界を標的市場とするデータ解析サービス「ニールセン・コネクト(Nielsen Connect)」の提供で提携した。

 小売業界専門家のアンドリア・チェン氏のフォーブス寄稿記事によると、両社は提携によって、さまざまの商品の売上高や価格、広告出稿に関するデータや、市場調査会社が所有する業界データを収集し、マイクロソフトのクラウド電算プラットフォーム「アジュール(Azure)」経由で小売会社やCPGブランド会社らに提供する。

 小売会社やCPGブランド会社らは、それらのデータを機械学習アルゴリズムで解析することによって、たとえば、売れ筋商品とその理由といった市場傾向を迅速に把握し、商品改良や商品需要予測、個々の消費者の嗜好にあわせた販促活動を実行できるようになる。従来なら、そういった市場調査には数ヵ月を要することもあった。

 ニールセンは、その一環として、同社が買収したグレイスノート(Gracenote)のデータ解析ツールを提供する。グレイスノートは、音楽や動画、スポーツ関係のメタデータの提供会社。楽曲配信サービスのスポティファイ(Spotify)は、個々の利用者向け楽曲リスト作成機能にグレイスノートの技術を利用している。

 マイクロソフトにとってニールセンとの提携は、ソフトウェア販売とライセンス販売という従来の事業モデルを超える収入源多様化戦略の一環でもある。

 マイクロソフトは、クラウド電算サービス最大手のアマゾン・ウェブ・サービシズ(AWS=Amazon Web Services)に対抗するために、アジュールの需要拡大を積極的に進めている。最近では、アパレル大手ギャップ(Gap)と戦略的提携を締結した。

 ギャップは、マイクロソフトとの提携のもと、導入済みの「何百種類」(ギャップ)という業務用アプリケーションをアジュールに移行する。また、消費者への「個人化された体験」(ギャップ)提供のためにマイクロソフトのデータ解析と機械学習ツールを利用する。

 マイクロソフトは、ギャップと同様の契約をウォルマート(Walmart)とも結んでいる。

https://www.forbes.com/sites/andriacheng/2018/11/14/microsoft-nielsen-join-forces-to-make-personalized-data-a-closer-reality-to-the-cpg-industry/#82527bc6dda3