Wednesday, August 31, 2016 1:03 PM
外国人起業家への査証制度を整備〜「スタートアップ・ビザ」のオバマ案
連邦議会はこれまで、「スタートアップ・ビザ(startup visa)」という就労査証給付制度案を可決しようとしてきたが、法案審議が遅々として進まないため、バラク・オバマ大統領は先日、立法を待っていられないと判断し、類似制度を政府主導で整備する方針を打ち出した。
スタートアップ・ビザは、一定水準以上の投資と雇用創出を実行する外国人起業家に発給される就労ビザ。
議会では、ほかの移民関連法案の審議が暗礁に乗り上げ、スタートアップ・ビザ案を含めて法案内容がまとまらず、進展せずに現在にいたった。
コンピュータワールド誌によると、スタートアップ・ビザのオバマ版では、一定以上の投資額によって支えられる起業案を提示する外国人起業家は、米国内での就労と居住に関して現行移民法の適用を暫定的に免除される。
米国政府は、ホワイトハウスが国際起業家規則(International Entrepreneur Rule)と呼ぶオバマ案が実施されれば、約3000人の外国人起業家が申請するのではないか、と予想する。
オバマ案では、外国人起業家への移民法適用免除の是非を国土安全保障省が決定する権限を持つ。その基準は、事業内容が人道的かどうかや、大きな公益性があるかどうかといった要素にもとづくほか、申請書類は個別的に審査され、一様かつ一斉に決められるものではない。
オバマ案が適用されるには、外国人起業家は、「一定以上の実績ある投資家や投資会社」から「大きな資本投資」(最低34万5000万ドル)を獲得していることや、連邦または州、あるいは自治体の政府から10万ドルの出資を取り付けていることを証明することが要件となる。また、起業後の急成長または雇用機会の創出といった大きな可能性を証明することも求められる。
連邦政府では、オバマ案の詳細を向こう2〜3ヵ月のあいだに45日間公開して、一般からの意見や提言を公募し、2016年末までに最終化する計画。政府は同オバマ案を2017年の早い時点で発効させたい考えだ。