Monday, January 07, 2019 9:33 AM
PG&E、山火事に伴う巨額負債で破産法申請検討
カリフォルニア州の電力大手PG&Eが、一部もしくはすべての事業について連邦破産法に基づく会社更生手続きの申請を検討していることが分かった。2017年と18年にカリフォルニア州で起きた山火事に関連して、巨額の賠償責任に直面しているためだ。
ロイター通信が複数の消息筋の話として伝えたところによると、PG&Eは18年10〜12月期決算で山火事の損害負担について大幅な特別損失を計上しなければならなくなる恐れがあり、緊急時対応として経営破綻を申し立て、破産法の適用を受けることを考えている。
ただ、実際に破産法申請を行うかどうかは確定していない。今後、法令によって山火事で生じた損害をPG&Eが顧客に転嫁することが認められれば金銭的負担は和らぐ可能性があるものの、それが実現するかどうかは不透明なため、同社は申請に向けた準備を進めているという。
一方、こうした準備を行うことでPG&Eの破綻回避を望む加州議会筋に圧力をかけられるとの期待もあるとみられる。
PG&Eは18年11月、州北部で起きた火事の原因が同社の設備にあったと判明すれば、保険の適用範囲を超える相当な負債を抱える恐れがあると表明した。11月8日朝にパラダイス近郊で発生した「キャンプファイヤー」火災では、少なくとも86人が死亡するなど州史上最悪の山火事となった。
PG&Eは、17年の火災で焼失した家屋や事業所の所有者から数十件の訴訟も起こされている。州議会は山火事関連のコストの一部を電力・ガス会社が顧客に転嫁することを認める法案を可決し、州法は成立したが、18年の火事はこの法律の対象ではない。