Friday, February 01, 2019 8:46 AM

18年の暗号通貨盗難、前年比5倍超の17億ドル

 サイバーセキュリティ会社サイファートレース(CipherTrace、カリフォルニア州)は1日までに、2018年にインターネット上で盗まれた暗号通貨は前年比5倍(400%)超の17億ドルに達したという報告書を発表した。

 ロイター通信によると、被害総額のうち9億5000万ドルは、暗号通貨の交換所やウォレットなどの基盤サービスから盗難が占め、前年(2億6600万ドル)から260%近く増えた。そのうち、580億円相当の暗号通貨NEM(ネム)が不正流出した「コインチェック事件」などがあった日本と韓国と交換所からの盗難は過半数の58%を占めた。

 18年にデジタル通貨の相場が大きく下落したことを考えると、被害額の激増は驚異的と言える。1600以上あるデジタル通貨の19年1月の時価総額は、ピークだった1年前から80%以上減少し、1120億ドルだった。

 交換所などからの窃盗のほか、独自の仮想通貨トークンを発行して資金調達する「新規暗号通貨公開(ICO)」を悪用して投資家や交換所利用者から資金をだまし取る「出口詐欺(exit scams)」の被害額は7億2500万ドルに上った。17年の出口詐欺の被害総額は5600万ドルだった。

 サイファートレースは「これらの数字は当社が検証できた犯罪の被害額にすぎない。実際の暗号通貨資産の損失額がはるかに大きいことは間違いない」と報告した。