Monday, April 15, 2019 10:18 AM
米墨経済団体、トランプの国境閉鎖脅威で団結
メキシコと米国の経済界リーダーは12日に開いた会合で、トランプ大統領が検討するメキシコとの国境閉鎖は双方に悲惨な結果をもたらすと批判し、2018年に合意した新貿易協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の批准の妨げになっている米政権による鉄鋼・アルミニウム関税の撤廃を訴えた。
ロイター通信によると、メキシコ東部のメリダで開かれた会合には両国の政府高官、経済団体が出席し、貿易の混乱を防ぐためトランプ氏に国境閉鎖の脅迫をやめるよう要求した。
全米商工会議所のトム・ドナヒュー会頭は記者会見で、米メキシコ関係は最優先事項だと強調しながら、米政府は議会がUSMCAを承認する前に、鉄鋼とアルミの関税対象からメキシコとカナダを免除すべきだと訴えた。「だからこそわれわれは、米メキシコ国境の閉鎖がもたらす悲惨な結果に誰よりも早く警鐘を鳴らしている」と語るドナヒュー氏に、隣にいたメキシコのロペスオブラドール大統領は拍手で同意を示した。
中南米諸国からメキシコ経由で米国に向かう移民集団の急増を受けてトランプ氏は3月、メキシコが違法入国を直ちに停止しなければ国境を閉鎖すると脅迫した。その後も米政権は、人員を再配置して国境警備を強化し、両国のビジネスに何百万ドルもの費用が生じる物資輸送の遅れを引き起こした。
メキシコの有力経済団体、企業家調整評議会(CCE)のカルロス・サラザール代表は会合で、国境を開いたままにする必要性を米政府が理解するよう望むと訴えながら「移民問題を貿易問題や産業問題と混同すべきではない」と述べた。
トランプ政権のウィルバー・ロス商務長官はサラザール氏の隣に座っていたが、記者会見は行わなかった。
会合は、「米メキシコCEO対話(U.S.-Mexico CEO Dialogue)」として定期的に開かれている。