Friday, May 10, 2019 10:35 AM
ナイキ、ARで足のサイズを正確に測定
スポーツ用品大手のナイキ(Nike)は9日、拡張現実(augmented reality=AR)技術を活用して消費者の足のサイズを測定するスマートフォン・アプリケーションを開発したことを明らかにした。
ベンチャービート誌によると、「ナイキ・フィット(Nike Fit)」と呼ばれる同技術は、足のサイズを誤差2mm以下の精度で測定できる、と同社は説明しており、アイフォーン向けとアンドロイド向けのアプリケーションを7月にも市場投入する計画。米国内の一部のナイキ直営店にも導入される。
アップル(Apple)の「ARKit」やグーグル(Google)の「ARCore」といったAR開発キットを使って開発されたARツールは多数あるが、実世界の物体の寸法を測ってみると1インチ以上の誤差はよくはる。したがって、誤差2mm以下という精度は特筆に値する。靴のサイズを決めるのに1インチ以上の誤差ではまったく意味がない。
ナイキ・フィットは、複数の写真を使い、機械学習機能によって測定結果を出す。まず、壁際の床の画像を撮影し、足を置くべき場所をその画像上に示す。利用者がその位置に足をあわせて立つと、13種類のデータを取得して足の長さと幅を計算し、靴の最適サイズを推奨するしくみだ。
店内で使う場合には、店員がナイキ・フィットを使って客の足のサイズを測定する。同ツールは、欧州の一部の店舗でも夏以降に導入される予定だ。
ナイキがこれだけの精度を達成したことで、今後はほかのARアプリケーション開発者らもナイキの手法を参照して精度を高められる可能性がある。
ナイキは、足にあわないサイズの靴を履いている人が約60%もいるという調査結果を引き合いにして、ナイキ・フィットの重要性を訴えている。靴の返品や交換は、発送や在庫管理のコストを増大させるため、それを減らすことができれば大きなコスト削減につながる。
【https://venturebeat.com/2019/05/09/nikes-iphone-app-will-use-ar-to-fit-shoes-with-sub-2mm-accuracy/】