Tuesday, June 18, 2019 10:26 AM

エヌビディア、ARM設計のチップと互換

 GPU(graphics processing unit)最大手のエヌビディア(Nvidia)は17日、ソフトバンク傘下の英ARMが設計したプロセッサーと一緒に機能するスーパーコンピュータ向けチップを開発する方針を打ち出した。

 ロイター通信によると、エヌビディアはそれによって、気候変動予想や核兵器開発といった膨大な演算処理を必要とする電算システム市場への進出を一気に本格化させる。

 エヌビディアは、ゲーム専用機向けのチップで台頭したのち、パソコンやモバイル端末の高位機種向けや、人工知能システムや自動運転車(AV=autonomous vehicle)向けの高性能チップ市場に事業を拡大し、いまではそれらの分野で最大手の一つに位置づけられる。

 ビデオゲームの動作の質や画質の現実味を上げるには、非常に強力なGPUが必要であることから、エヌビディアのGPUはその演算処理力で高評価を得ている。それを受けて、データ・センターの高性能サーバーにエヌビディアのチップを搭載し、人工知能を訓練するシステムといった高度電算を必要とする研究者たちのあいだで同社製チップの需要が高まっている。

 エヌビディアは昨今、同市場の開拓をさらに加速させるために、インテルやIBMのCPU(central processing unit)と一緒に機能するアクセレレーター・チップの強化に注力してきた。

 エヌビディアが今回、ドイツでのスーパーコンピュータ会議で発表したのは、そのアクセレレーター・チップの開発計画で、2019年末までに市場投入する計画だ。インテルやIBMのCPUと互換するチップによってスーパーコンピュータ向け市場に食い込んだエヌビディアは、ARM設計基盤のチップにも対応することで、同市場の存在感をさらに強められる。

https://www.reuters.com/article/us-nvidia-arm-inc/nvidia-to-work-with-arm-chips-deepening-push-into-supercomputers-idUSKCN1TI0M9