Thursday, July 11, 2019 9:51 AM

小型コンプレッサーの設計に人工知能を活用

 ヒート・ポンプの電力消費量を20〜25%削減できる小型ターボ・コンプレッサーの設計工程で人工知能を活かす方法が開発された。

 ターボ・コンプレッサーは、ピストン装置よりも効率が高く、大きさも10分の1だ。しかし、ヒート・ポンプの設計にそれを組み込むのは容易ではない。直径2cm以下という小さな部品であるうえ、毎分20万回以上の高速で回転するためだ。

 クーリング・ポスト誌によると、スイス連邦工科大学ローザンヌ校の研究者らは、ターボ・コンプレッサーをヒート・ポンプに比較的簡単にすばやく組み込む手法を開発した。関数同定問題と呼ばれる回帰分析を応用する機械学習を介して、ヒート・ポンプに対して最適のターボ・コンプレッサーの寸法と回転速度をすばやく計算し、それによって設計の第一段階を大幅に単純化できる。

 その設計段階ではこれまで、寸法表を使用することが多かった。しかし、装置が小型化するほど寸法表の精度は低くなる。また、寸法表を使っていては最新の技術に対応できないという問題点も指摘されていた。

 スイス連邦工科大学ローザンヌ校の研究では、50万件の模擬化結果を機械学習させ、単純な計算式を生成した。従来の寸法表に比べて、小型機器でも精度が高いうえ、従来の設計過程のいくつかの工程を省略できるため、所要時間を短縮できる。

 その結果、小型ターボ・コンプレッサーがヒート・ポンプに普及するようになり、省電力を達成できる、と研究者らは報告した。

https://www.coolingpost.com/features/ai-design-can-reduce-heat-pump-energy-consumption/