Friday, July 12, 2019 10:39 AM
アマゾン、従業員10万人のデジタル職能訓練に7億ドル
人工知能とロボットの業務活用で世界的に先行するアマゾン(Amazon)は、機械化や自動化ではなく人間の労働力に巨額を投資する計画を打ち出した。
CBSニュースによると、同社は、7億ドル以上を投資して約10万人の従業員のデジタル技能を訓練する制度を立ち上げる。
コロラド州デンバーにある12万5000平方フィートの同社施設では、約800台のロボットが縦横無尽に自律移動して現場を仕切っているかのように見えるが、その背後には、ニコール・ベヤー氏のような管理者がいる。同氏は、現場制御専門家として施設内のロボット交通を日々管理している。
ロボットの増加は、あつかう荷物の量の増加を意味し、その結果、現場における各種システムの制御や管理といった仕事が複雑化することを意味する、と同氏は話す。
同施設で働く前には何年間か失業していた同氏は、アマゾンの技能訓練制度によって自動化技術を管理する職能を習得して昇進した。
同社のジェフ・ウィルキー世界消費者担当責任者は、デジタル技能訓練制度について、大学院のようなもの、と説明する。同社では、現場での技能研修制度を「機械学習大学(Machine Learning University)」と呼び、ソフトウェア工学に関する職能訓練制度を「アマゾン技術アカデミー(Amazon Technical Academy)」と命名し、希望する従業員すべてにデジタル職能研修機会を提供している。
アマゾンでは、約20万台のロボットをこれまでに導入したと同時に、約30万人の雇用を追加した、とウィルキー氏は話す。倉庫内での荷物搬送や整理といった作業をロボット群にまかせ、自動化による新たな仕事の流れに応じた体制設計やロボット群の制御と管理、そのほかさまざまのアプリケーション開発やソフトウェア工学の人材を拡充している、と同氏は説明した。
マンパワーグループの調査によると、自動化技術の進化と浸透を受けて、デジタル技術を使いこなせる人材を増やすために、既存従業員の職能開発の一環としてデジタル技術研修制度の整備や強化に投資する会社の割り合いは、2018年の54%から2019年には84%に拡大する見込みだ。
【https://www.cbsnews.com/news/amazon-to-spend-700-million-training-100000-employees-digital-age/】