Friday, July 19, 2019 10:00 AM
5年後には生体認証に移行か
クレジット・カード大手のビザ(Visa)は、決済サービス市場が向こう5年で認証語不要のシステムに移行するという予想のもと、生体認証機能を拡充する方針だ。認証技術や不正防止技術の進化がその背景にある。
ZDネット誌によると、金融サービス会社や商業主たちがこれまでの10倍以上のデータを共有するようになり、また、不正使用を検知できる人工知能技術の浸透によって、生体認証機能と人工知能をより融合させた認証機能が今後さらに進化することで、署名や個人ID番号といった従来型のCVM(cardholder verification methods)がいずれ排除されるだろう、とビザのアクセル・ボーイェ=モーラー製品統括責任者は話した。
「過去3〜4年だけでもモバイル技術が大きく進化し、モバイル機器による生体認証機能活用が劇的に増えている」「そういった動きは、銀行や金融サービス機関、そのほかモバイル決済ソリューション提供会社のあいだで開花し始めている」と同氏は述べた。
これまで長年にわたって本人認証に使われていた暗証語や個人ID番号は、利用者が記憶しておかなければならないほか、変更による覚え違いやほかの認証情報との混同といった課題を抱えており、多くの消費者をいらだたせる要因の一つにもなっている。また、サイバー犯罪によってクレジット・カード情報が盗まれて盗用されるという脆弱性もある。
「生体認証はそれを一気に解消する」「便利であり安全でもある」と同氏は話す。
現行の生体認証技術では、指紋か顔を認識するシステムが主流だ。
同氏によると、ビザは過去4〜5年のあいだにクレジット・カード不正使用を3分の1に減らした。現在、同社のクレジット・カード決済における不正使用の割り合いは0.1%未満という過去最低水準まで下がった。
同社は、人工知能を活用した不正使用検知機能を1993年から導入している。同社では、ビザ・カードが使われるたびに、約500の不正使用可能性要因にもとづいて、人工知能基盤の検知システムによって100分の1秒で不正使用かどうかを判断している。
【https://www.zdnet.com/article/visas-vision-for-the-future-of-payments-is-password-free/】