Wednesday, July 24, 2019 10:51 AM
IBM、がん特効薬発見を目指す人工知能事業を立ち上げ
IBMは22日、人工知能を使ってがんの特効薬を発見または開発する3件のオープン・ソース事業に取り組むことを明らかにした。
ZDネット誌によると、それらの開発事業を仕切るのは、IBMチューリッヒ研究所のコンピュテイショナル・システム・バイオロジー・グループで、同事業部は、最強のがん治療薬の発見や特定、創薬に向けて機械学習を駆使する計画だ。
最初の事業は、「パックマン(PaccMann=Prediction of anticancer compound sensitivity with multi-modal attention-based neural networks)」と呼ばれる機械学習を活用し、人工知能によって化学物質を自動解析して、効果のある物質を特定するアルゴリズムを構築し提供する。
同アルゴリズムは、遺伝子発現(遺伝子の情報が細胞における構造および機能に変換される過程)データおよび化学物質分子構造データから抗がん剤として有効のものを選び出す。
二つ目の事業では、「インタラクト(INtERAcT=Interaction Network Inference from Vector Representations of Words)」を使って、大量の論文から有益データを抽出して、がんの構造のさらなる解明を簡便化する。
がん関連の論文は、年間1万7000本ほど発表されるため、人の労力だけではそれらの論文を読み込んで必要情報を特定することは不可能だ。そこで、自然言語認識人工知能のインタラクトによって、カギとなる言葉を認識して有益部分を自動的に特定する。
最後の事業では、「ピンクル(PIMKL=Pathway Induced Multiple Kernel Learning)」という機械学習技術を応用して、分子間反応データから患者のがん進行を予想するアルゴリズムを開発する。分子反応経路からの予想結果を医療従事者と共有することで、個々の患者にあわせた治療法を可能にする。
パックマンとインタラクトの開発コードは、それぞれのウェブサイトで公開されており、ピンクルはIBMのクラウド上で公開されている。いずれもオープン・ソースでだれでもアクセスできる。
【https://www.zdnet.com/article/ibm-reveals-ai-projects-aiming-to-find-cancer-killing-drugs/】