Wednesday, August 07, 2019 10:13 AM

シュナイダー、大型商品の宅配を年内で終了

 トラック運送大手シュナイダー・ナショナル(Schneider National、本社ウィスコンシン州)は、3年前に2社を買収して始めた大型商品の宅配事業ファースト・トゥー・ファイナル・マイル(First-to-Final Mile=FTFM)を年内で閉鎖する。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、同事業専用だった26のターミナルを閉鎖し、関連社員は他の部署に異動させる予定で、下半期に5000万〜7500万ドルのリストラ支出を計上する。

 シュナイダーは、主力のトラック運送事業の収入減によって2019年4〜6月期の売り上げが減少し、純利益は48%減の3450万ドルとなった。

 宅配市場は、オンライン小売り販売の急増を受けて大きく成長しており、消費者は家具、運動器具、家電といった大型商品のオンライン購入にも抵抗がなくなってきたため、企業間の輸送を専門にしていたトラック運送会社や物流業者も相次いで市場に参入している。

 小売店やメーカー相手に輸送サービスを提供してきたシュナイダーも、16年に専門業者のLodesoとWatkins & Shepard Truckingを買収して市場参入した。しかし、運送業者にとって宅配は難しい業務で、Eコマースの拡大で物流ネットワークの小包取扱量は爆発的に増えたが、運送業者はどこも高コストに苦しんでいる。業界大手ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)とフェデックスも、宅配業務のコスト削減や簡素化を図って受け渡し場所の集中化を図っている。

 物流専門家によると、宅配は特に企業間の流通に重点を置くトラック運送会社にとって難しいビジネスだという。住宅街に大型トラックを乗り入れて駐車、宅配するのは集荷場のローディングドックに車を付けるのとは違って、時間や費用がかかる。だからこそ非常に多くの企業が自動運転車やロボットでラストマイル(宅配の最終段階)問題を克服しようとしている。

 市場調査Logistics Trends & Insightsのチーフアナリストによると、オンライン商取引による物流コストの25〜30%はラストマイルから発生すると見られている。