Thursday, September 12, 2019 10:20 AM

倉庫内を自律飛行するドローンで在庫管理を効率化

 無人航空機(ドローン)技術開発の新興企業フライトウェア(FlytWare、ヒューストン拠点)は9日、倉庫での在庫管理を効率化するドローン・ソリューションを発表した。

 ドローンライフ誌によると、商品供給網では近年、電子商取引市場拡大の影響を受けて、より迅速かつ安価に配送することが求められており、その結果、倉庫および配送センターにおける在庫管理の非効率性が問題視されるようにった。

 商品をあつかう倉庫では多くの場合、土地代を抑えるために倉庫内通路を狭くしたり、在庫量を最大化するために非常に高く積み上げて保管したりといった習慣がある。それに加えてオンライン販売の継続的増加によって倉庫運営は忙しくなり、人材不足にも直面している。

 倉庫内でのドローン活用の動きは以前からあったが、倉庫環境に適したドローンの設計が難しいことから、普及するにはいたっていない。

 インド人たちによって2005年に起業されたフライトウェアが発表した倉庫内ドローン・ソリューション「フライトウェア」は、倉庫内空間を自在に自律飛行し、自動的に読み取ったバーコードを無線転送することで在庫管理を大幅に効率化する。フライトウェアは、個々の倉庫内設計に柔軟に対応でき、倉庫所有会社(運営会社)独自の倉庫管理システム(warehouse management system=WMS)向けAPI(application programming interface)も提供する。

 フライトウェアの中核は、フライトベース(FlytBase)と呼ばれるプラットフォームだ。同プラットフォームは、自律飛行技術やインテリジェンス・システム、クラウド電算環境を統合し、無数のドローンを束ねて操作できるよう設計されている。在庫管理以外にも、倉庫部門の内部監査にも応用可能だ。

 同社は、欧州の空輸大手の協力によってフライトウェアの試験運用をすでに進めており、良好な結果を得たという。

 フライトウェアによると、内部利得率(internal rate of return=IRR)は3年で30%を超え、投資回収は短ければ1年で可能だという。フライトウェアは現在、初期の研究&開発段階から概念実証(Proof of Concept=PoC)段階に進んでいる。

https://dronelife.com/2019/09/09/drones-indoors-flytware-autonomous-drone-solution-for-warehouse-inventory-counts/