Tuesday, September 20, 2016 9:48 AM
携帯電話に異例の緊急警報〜NY爆発事件の捜査で
ニューヨーク中心部と隣のニュージャージー州で17日に起きた爆発事件で、、捜査当局は19日朝、追跡中の容疑者の情報を告知し、捜査への協力を呼びかける異例の緊急警報を一般市民の携帯電話に向けて送信した。情報の一斉伝達システムを通じて「デジタル指名手配書」が100万人を超える人々に配布されたのは国内で初めてとみられる。
ニューヨーク・タイムズによると、緊急警報は全米無線緊急警報システム(WEA)を通じて送信された。メッセージは「指名手配:アフマド・カーン・ラハミ容疑者(28)。顔写真はメディアを参照。見掛けたら通報を」という内容。ラハミ容疑者はその後、ニュージャージー州リンデンで逮捕された。
大都市での事件発生時にWEAシステムが使われた例としては、2013年のボストン・マラソン爆弾テロ事件、今年8月にロサンゼルス国際空港で起きた銃撃事件があるが、いずれも逃亡中の危険な容疑者を避けて安全な場所に隠れるよう警告したり、最新の状況を伝える内容だった。
国内の警報システムには、天候異変などに関する緊急警報、子供の誘拐事件や行方不明情報を知らせる「アンバー・アラート」、大統領による警報の3種類がある。携帯電話利用者は大統領以外からの警報を受け取らないよう設定できるが、これまで大統領が発令した例はない。
ニューヨーク市では、12年のハリケーン「サンディ」来襲時に3度、15年冬の大雪で1度緊急警報システムが使われた。
今回の爆発事件では、17日の発生時にも市内チェルシー地区住民を対象に注意を呼び掛けるメッセージが送られた。WEAの利用によって、19日朝にラハミ容疑者の身柄が確保されるまでにはニューヨーク市民のほとんど、国内でも多数が容疑者の顔を知っていたと考えられる。