Wednesday, September 21, 2016 10:06 AM
SEC、エクソンを調査〜資産評価方法に問題か
証券取引委員会(SEC)が、エネルギー大手エクソンモービルの資産評価方法について適切かどうか調査していることが20日分かった。
ウォールストリート・ジャーナルによると、SECは、この数年で原油価格が急落したにもかかわらず、エネルギー大手でエクソンだけが原油在庫など資産の評価損を計上していない点を問題視。8月に同社と同社の会計監査会社プライスウォーターハウスクーパース(PwC)に情報の提出を求めたという。SECがこれまでに受け取った書類は、昨年から始まったニューヨーク州司法当局による会計処理方法の調査の一部として同社が提出した書類だという。
原油価格は2014年に急落した。2年を経た今も当時の4割程度の安値にとどまり、メジャーと呼ばれる石油大手の経営は軒並み悪化した。エクソンだけは関連資産の評価損を計上しておらず、投資家からは会計処理を疑問視する声が上がっている。
SECの調査は、地球温暖化による気候変動を背景とする環境規制強化に伴うコスト増の影響を、エクソンがこれまで過小評価してきた可能性の調査とも関連している。
連邦当局がエクソンの調査に踏み切り、気候関連の情報を集め始めたことについて、企業に炭素排出関連情報を開示させる活動を進める環境団体セリーズ(Ceres、本部マサチューセッツ州)のアンドリュー・ローガン氏は「金融関係者が気候変動を深刻に捉えようとする努力の表れ」と指摘した。同氏は「これはエクソンだけでなく、エネルギー業界全体にとって転機となる可能性がある」と付け加えた。