Thursday, January 30, 2020 9:06 AM

東レ、ポリアミド粒子の真球化技術を開発

 東レは、3D(立体)印刷用に高融点ポリアミドを簡単にミクロレベルの真球粒子にできる新技術を開発した。

 同社のプレスリリースによると、これで3Dプリンターを使って高い耐熱性や強度を持つ実用的なプラスチック部品を生産できるようになり、3D印刷に革命をもたらす可能性がある。

 粒状の材料を使った3D印刷で使われているポリアミド粒子は、不定形かつ密度や融点が低い「ポリアミド12」が多いが、3D印刷で高品質の造形物を作るには流動性や均質充てん性に優れた真球形状の粒子が求められる。また、特に実用部品には耐熱性や強度に優れた高融点ポリアミドの粒子が必要だが、従来の方法では高融点ポリアミドの真球化は難しかった。

 東レの新技術は高温にも対応できるため、低融点のポリアミド12だけでなく高融点の「ポリアミド6」や「ポリアミド 66」の真球粒子化も実現できる。さらにこの技術は、粒子の直径を数ミクロンから数百ミクロンの範囲で任意に平均化することもできるため、大きさがそろった粒子の作成も可能になった。

 真球粒子にしたポリアミド6を使った3D印刷の実験では、造形物の耐熱性や強度が高くなることも確認されており、東レは今後、自動車など実用部品への適用を目指してスケールアップ技術の確立を目指す。