Monday, May 11, 2020 10:21 AM

半導体の自給自足急げ〜米政権、インテルなどと協議

 トランプ政権と複数の半導体メーカーが、米国内での工場新設について協議していることが10日明らかになった。

 ロイター通信によると、インテルのウィリアム・モス広報担当者は電子メールで声明を出し、マイクロエレクトロニクス(半導体を原料とした微細な電子部品)と関連技術を国内調達する仕組みの改善について、国防総省と協議していることを認めた。「当社は連邦政府と協力して米国拠点の半導体工場を運営し、幅広い安全なマイクロエレクトロニクスを提供できるポジションにある」と説明している。

 半導体ファウンドリー(受託生産)大手の台湾積体電路製造(TSMC)は、商務省と米工場の建設について話し合っているものの、最終決定はまだ下していないと説明した(ニナ・カオ広報担当者)。

 マイクロエレクトロニクスの調達で、米国は半導体工場が多いアジアからの輸入に頼っている。アジアの大国である中国と米国は貿易摩擦で緊張関係が続いている上、新型コロナウイルスに関しても感染拡散の責任をなすりつけ合っており、米国内では半導体サプライチェーンの混乱への懸念が改めて高まっている。

 インテルのボブ・スワンCEOは3月下旬、国防総省に書簡を送り、同省と共同で半導体工場を建設したい意向を表明した。同CEOは書簡に「現在の地政学的環境から生じた不確実性を考えると、これはかつてないほど重要だ」と記している。

 政権と半導体メーカーの協議は、ウォールストリート・ジャーナルが最初に伝えた。同紙によると、TSMCは大手取引先の1つであるアップルとも、米国でのチップ工場の建設について話し合っているという。TSMCはロイターに対し、アップルとの協議についてはコメントを控えた。