Monday, June 15, 2020 10:00 AM

リチウムイオン電池需要、29年には10倍以上に

 リチウムイオン電池の需要2029年までに19年比で10倍以上増加し、電力量換算で1800ギガワット時(GWh)を超えるとの予測を、英国の金属コンサルティング会社ロスキルが発表した。

 グリーンカー・コングレスによると、リチウムイオン電池の大規模工場(ギガファクトリー)は29年までに世界で145カ所に達し、全体の生産能力は2000GWhを超える見込み。正極材は、自動車や電力系統(グリッド)向け蓄電市場の需要の伸びにけん引されてNCM(ニッケル、コバルト、マンガン)およびNCA(ニッケル、コバルト、アルミニウム)系の優勢が続くと予想されている。20年代後半に他の電池技術との競争が激化する可能性があるが、リチウムイオン電池の支配的な地位は続く見通しだという。

 19年は、自動車業界からの需要の伸びを背景にリチウムイオン電池の生産能力は180GWhに達した。需要の約60%は自動車産業が占め、これがリチウムイオン技術の設計と化学に変化を与えている。