Tuesday, September 01, 2020 10:34 AM

クアルコム、ミリ波5Gの信号到達距離を2倍以上に

 携帯通信技術大手のクアルコム(Qualcomm)は、5Gミリ波の到達距離を、これまで約束されていた距離の2倍以上にあたる2.36マイル(3.8km)に拡大した。

 ベンチャービート誌によると、5G通信網を普及させるうえで最大の問題の一つが、ミリ波用の通信塔が信号を飛ばせる距離だ。ミリ波は、5G携帯電話通信のなかで最高速規格になる可能性があるが、信号到達距離が短いため、これまでマイル単位で語られることはほとんどなかった。

 クアルコムは、長距離アンテナ「QTM527」による到達距離を2019年の段階で説明していた。同社はこのほど、それを改良して到達距離を伸ばした。到達距離が2倍以上に伸びれば、必要なアンテナ数を減らせる。その結果、キャリヤー(無線通信サービス提供会社)らは設置コストを節減できる。

 クアルコムは、QTM527アンテナとスナップドラゴン(Snapdragon)X55モデムを使った試験において、エリクソン(Ericsson)製のエアー(Air)5121およびベースバンド(Baseband)6630と通信して到達距離を測定した。

 クアルコムは、ミリ波の800メガヘルツ周波帯域に完全にアクセスできれば最大7Gbpsのダウンロード速度を達成できる、と以前に説明していた。今回の試験では、一つの端末で4.3Gbps、二つで8.5Gbpsを達成した。

 米国では、米キャリヤー最大手のベライゾン(Verizon)がこれまでのところミリ波のみで5Gサービスを提供しており、通信塔に近い場所で1〜2Gpbsの速度を達成している。

https://venturebeat.com/2020/08/31/qualcomm-doubles-5g-mmwave-range-to-2-36-miles-for-broadband-modems/