Tuesday, October 11, 2016 10:22 AM
UPS、ドローンによる緊急物資配送試験を実施〜まずは人道的な活用に注力
米運送大手のUPSと無人飛行機(ドローン)新興企業のサイファイ(CyPhy、マサチューセッツ州拠点)は、マサチューセッツ州の小さな島にドローンを飛ばし、そこでキャンプ中の子どもたちに喘息薬吸入器を届ける試験を9月末に成功させた。
フォーチュン誌によると、両社は同試験において、ドローンの飛行経路をプログラムし、ボストン市から約25マイル離れたビバリー市からキャンプ場までの約3マイルを自動飛行させた。飛行時間は約8分だった。
UPSのマーク・ウォレス国際工学および持続可能性担当副社長は、緊急物資配送へのドローン活用の可能性を模索している、と今回の実験について説明。同氏はまた、都市部での日用品や食品宅配サービス向けのドローン利用については何年も先になるという見方を示した。
同氏は、UPSが関心を持つ人道的ドローン利用の例として、ドローン新興企業のジップライン(Zipline)と進めているルワンダでの試験を挙げた。血液やワクチンといった医療品をドローンによって地方に届けるというものだ。
UPSのほかにもアマゾン(Amazon)やグーグルの持ち株親会社アルファベット(Alphabet)がドローンを使った配送試験を世界各地で行っている。
アルファベットの研究部門では、連邦政府が認可した6つのドローン試験領域の一つで実験できる許可を8月に取得している。一方のアマゾンは、ドローン配送サービスについて英国政府と協力することを7月に明らかにしている。
米国では最近、ドローンの商業利用に関する最終規則を米連邦航空局(FAA)が発表した。規則では、企業は適用除外が認められない限り、操縦者の視認範囲外および夜間でのドローン飛行が禁止されている。FAAは今後、新設したドローン利用諮問委員会において、商業利用のための産業界ニーズや安全性を考慮したうえで規制緩和を検討する。
諮問委員会は、政府職員や産業界の関係者で構成されている。そのなかには、UPSやグーグル、アマゾン、フェイスブック(Facebook)、アメリカン航空(American Airline)の代表やサンフランシスコ市長らが含まれる。
UPSは、梱包施設における製品管理効率化のためのドローン利用も検討中だ。ウォレス氏によると、製品スキャンを手作業で行う代わりに、ドローンを製品まで飛ばしてスキャンするといった使い方を想定している。
ウォレス氏は、ドローンの商業利用に関する課題について、電池の継続時間とドローンの耐久性を重要事項と挙げた。
【http://fortune.com/2016/10/03/ups-drones-delivery-testing/】