Monday, November 23, 2020 8:28 AM
気候変動の財務的影響、開示企業少なすぎる
気候変動に対して企業がどんな取り組みをしているか投資家に開示するための国際組織「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」はこのほど、気候変動がもたらす財務的影響について十分開示している企業が少なすぎるとの見方を示した。
気候変動は資産の価値を下げたり、洪水その他の自然災害で企業に費用を生じさせたりする可能性がある。主要20カ国・地域(G20)の金融規則を調整する金融安定理事会(FSB)によって設立されたTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)は2017年、投資家の参考となるよう企業が自主的に開示すべき情報のリストを発表した。
ロイター通信によると、世界で1500以上の企業・団体は当時、TCFDの趣旨に沿って情報を開示し、二酸化炭素(CO2)排出量の大幅削減を目指すことに支持を表明した。しかしTCFDによると、気候変動が自社の事業や戦略に与える影響を詳しく開示している企業は依然として少ない。
これまでに(気候変動に対する)事業戦略のレジリエンス(resilience=苦境での強さ)について情報開示した企業は15社中1社に過ぎず、ガバナンス(企業統治)や危機管理といった情報の開示状況に比べるとはるかに少ないという。
開示情報が一貫していること、他社との比較ができることは投資判断において非常に重要になる。TCFDは、投資家に十分かつ正しい情報を提供するには企業の資産管理責任者やオーナーのより強い支援が必要だと指摘した。