Thursday, January 21, 2021 8:40 AM
走行中充電、世界各地で試験〜コストが課題
電気自動車(EV)が走行しながら無線で充電できる技術(dynamic charging)の試験が世界各地で進められているが、コスト面の問題から大規模な導入は難しいとの声も出ている。
■レンジ不安を払拭
ウォールストリート・ジャーナルによると、各国の政府や企業が化石燃料への依存脱却に取り組む中、消費者がEVの購入を決める上で走行中のバッテリー切れを心配する「レンジ不安」が障壁の1つとなっており、関連企業は走行中充電技術が状況の打開に役立つと考えている。
走行中充電は、路面に埋め込まれた給電パッドから車の下部に取り付けられた受電装置に無線で電気を送る仕組みが一般的だが、一部の大型車では、路面電車のような架線を利用するタイプもある。
フランスでは、ルノーとフランス電力公社(EDF)がパリ市内の道路で走行中充電の共同実験を準備している。またスウェーデンでは、フォルクスワーゲン(VW)傘下のトラック大手スカニアが独エネルギー大手エーオン(E.ON)と、路面電車用のパンタグラフを使って上方から充電できるトラックを開発。量産準備も整っており、スウェーデン当局は2030年までに大型車用に延長2000キロの道路を電化する提案を検討している。
一方、イスラエルでは近く新興のエレクトレオン・ワイヤレスがバス会社ダン・バス(Dan Bus Company)と連携して無線充電バスの実験を始める予定で、テルアビブの駅と大学間で学生を輸送する。