Thursday, June 17, 2021 10:10 AM

PwC、顧客のESG開示を支援〜今後5年で10万人新規採用

 監査法人大手プライスウォーターハウスクーパース(PwC)は15日、今後5年で120億ドルを投じ、顧客に対して気候変動対応や従業員の多様化に関する開示報告などを支援する人材を10万人採用する方針を明らかにした。グローバル会長のボブ・モリッツ氏がインタビューで語った。

 ロイター通信によると、新規採用は、合併・買収による増員と同業からの引き抜きで実施する。10万人のうち2万5000〜3万人は米国での採用、また全体の1万人は黒人や中南米系にするという。同社の現在の世界従業員数は約28万4000人。

 モリッツ氏によると、PwCのESG(環境・社会的責任・統治)への取り組みは、以前は「狭く」、開示報告の枠組みが中心だった。同氏は「今やPwCのすべての従業員はこの問題に精通している必要がある」と述べ、ESGはPwCの業務の一部になるだろうと付け加えた。

 企業や投資家は、自らの活動が環境に与える影響や、組織が多様化されているかを頻繁に検証するようになっており、これはPwCが長年提供してきた財務会計や監査サービスの領域を超えている。資産運用会社には、ESGに関する要因だけを基準に投資の決定をしているところもある。

 また、米国企業は現在、環境関連の情報開示、取締役会の多様性、労働力に対する新しい規制を念頭に準備を進めている。

 PwCは、気候リスクやサプライチェーンなどの分野で顧客企業やESG担当社員向けの研修を増やすとともに、「ESGアカデミー」を設立しようとしている。