Thursday, October 09, 2025 7:01 AM

ウーバー、Segments.aiを買収〜データラベリング部門を強化

 配車サービス大手ウーバーは、データラベリング部門の強化を図って、ベルギーのデータラベリング企業Segments.ai(セグメンツ・エーアイ)を買収した。

 ラベリングは、車載ライダー(光検知・測距装置)などのセンサーが収集するデータの属性情報を使って「自動車」「歩行者」「道路標識」「信号機」などに分類する技術。

 情報ウェブサイトのCIOによると、ウーバーは昨年11月、企業・組織が人工知能(AI)モデルを訓練するのを支援する部門を立ち上げており、自社技術をさらに磨き上げるため、Segments.aiの専門知識を生かす。ウーバーは特にライダー技術分野に注目しており、リンクトインの投稿で「Segments.aiはライダー・アノテーションツールに関する確かな経験、深い専門知識、そして優れた顧客基盤を持っている」と説明した。

 Segments.aiによる高精度なモデリングによって、ウーバーはラベリング精度を高めると同時に、車両の安全性を高め、物体認識や自動運転分野での安全性向上にもつなげようとしている。例えば高度なモデリングは、暗い場所での車両性能を向上させ、他車や道路上の障害物などの危険をより正確に把握できる。

 市場調査IDCのAI・オートメーション部門リサーチ責任者、キャシー・ラング氏は、この買収は自動運転市場におけるウーバーの競争力強化につながるだけでなく、気象マッピング、行政分野、ロボット技術など他の分野でも応用が期待できると指摘する。氏によると、今回の買収には「強力な技術、優秀な人材、確立された顧客基盤」という三つの魅力的な要素があった。また、直前にIT大手メタ(旧フェイスブック)がスケールAI(Scale AI)を買収したことでデータラベリング技術の争奪が激化しているという背景もある。

 買収の主眼は自動運転車向け技術の強化にあるが、ウーバーはSegments.aiが持つ汎用的なデータラベリング技術も活用し、自社のサービスを改良して顧客により包括的な技術を提供することを狙っているもよう。ラング氏は「ウーバーにとっては新たな事業展開の可能性につながり、他分野への進出の道を開く可能性がある」と見ている。