Thursday, July 08, 2021 10:41 AM

IBM、人工知能モデル開発を自動化するコードフレアを発表

 IBMは7月7日、ハイブリッド・クラウド環境に人工知能モデルを導入する際の準備時間を短縮するオープン・ソース・フレームワーク「コードフレア(CodeFlare)」を発表した。コードフレアは、人工知能モデルの訓練といった作業を自動化する。

 ベンチャービート誌によると、データ分析や機械学習がさまざまの業界で幅広く使われるようになっている昨今の動向を背景に、大きなデータセットを使う複雑な分析も増えているため、データ科学者らが初期設定に費やす時間も長くなっている。データ科学者や開発者らは、モデルをまず訓練して最適化する必要があるが、それに際しては、データの洗浄や抽出といった面倒な作業が必要だ。

 それら一連の作業を単純化するために開発されたコードフレアは、カリフォルニア大学バークリー校のライズラブ(RISELab)が開発したオープン・ソース・システム「レイ(Ray)」を活用している。

 「コードフレアは、個別のステップだけでなく統合された全体的な工程として機械学習を単純化する。コンテイナーではなくパイソンのようにデータ科学者にとって使いやすいインターフェイスを有している」と、IBMリサーチのハイブリッド・クラウド・プラットフォーム責任者プリヤ・ナグプルカー氏は話している。

 パイソンを基本とするコードフレアのインターフェイスは、複数のプラットフォームにわたる工程を管理できる。演算環境内で共有できるほか、アダプターを介してほかのクラウド環境に統合することもできる。

 トリガーの機能によって、新規ファイルの追加といった一定のできごとが発生するとコードフレアが起動する。ファイル・システムやオブジェクト・ストレージ、データ・レイクを含む多岐にわたるデータ源に対応している。

 コードフレアは、アマゾンのセイジメイカー・パイプライン(SageMaker Pipelines)に似た部分がある。セイジメイカー・パイプラインは、機械学習の作業工程の整理と自動化をクラウド・ダッシュボードから支援できるようにする。グーグルやマイクロソフト、ハイバーネット・ラブズ(Hybernet Labs)も、同様のサービスをクラウド環境で提供している。

 コードフレアは、ハイブリッド環境に対応するために設計された点でほかの製品と異なる、とIBMは説明している。

https://venturebeat.com/2021/07/07/ibms-codeflare-automates-ai-model-development/