Monday, November 22, 2021 9:27 AM

「バイデン流」実現なお壁〜物価高や与党内対立続く

 バイデン大統領が力を入れる総額1兆7500億ドル規模の大型歳出法案がようやく議会下院で可決され、成立へ一歩前進した。支持率低迷が目立つ中で「バイデン流」成長戦略の実現を急ぐが、与党内対立など壁はなお高い。大型歳出法案が物価高につながるか否か。新型コロナウイルス禍からの景気回復に伴い、当初は重視していなかった論点も急浮上している。

■インフレ

 「31年ぶりの物価高を招いている」「各家庭はこれまでで最も高くつく感謝祭になる」。下院で18日夜始まった審議では、野党共和党下院トップのマッカーシー院内総務が8時間半にわたり政権批判の演説を展開した。

 手元のパネルではガソリンや中古車などの価格が1年前に比べて高騰していることを例示。バイデン氏は翌19日の声明で「専門家はインフレ圧力が増すことはないとしている」と反論したが、家計負担増が生活実感として広がるだけに、守勢に回った感は否めない。

 実際に10月の消費者物価指数は前年同月比6.2%上がり、上昇率は1990年11月以来の大きさとなった。物価高が与党内でも大規模歳出への慎重論に結びついている。