Friday, January 14, 2022 8:41 AM

ランゲージI/O、各社の外国語対応能力を支援

 新興企業のランゲージI/O(Language I/O、ワイオミング州シャイアン拠点)は、顧客サービス分野に特化した自動翻訳の現地化サービスによって各社の外国語対応能力の拡充に貢献している。

 ベンチャービート誌によると、2011年に設立された同社は先日、シリーズAの資金調達を実施し、オメガ・ベンチャー・パートナーズ(Omega Venture Partners)を含む投資会社から総額650万ドルを調達し、累計調達額を1250万ドルに増やした。自動翻訳を活用する言語現地化サービス業界においては比較的新参かつ小規模だ。

 ワールドペイ(Worldpay)が世界各地で行った調査によると、2020年に外国のウェブサイトでオンライン買い物をした人口は全体の55%に上った。しかし、トランスパーフェクト(Transperfect)が行った最近の調査では、回答者の約68%が、1)ウェブサイトの翻訳が正確でない、2)文化的な理解が欠けている、といった理由でわかりにくく使いにくい、と感じていたことが判明した。

 自動翻訳を活用した現地化サービスを提供する新興企業は増加中だ。サンフランシスコ拠点のリルト(Lilt)は、販促や顧客サービス、オンライン小売向けの翻訳ソフトウェアを提供している。アンバベル(Unbabel)傘下のリンゴ24(Lingo24)やスマートリング(Smartling)は、自動翻訳と人の翻訳者を組み合わせて製品説明や利用者案内、ソフトウェアを翻訳する。ローカライズ(Lokalise)は、ソフトウェア現地化のプラットフォームを提供している。

 ランゲージI/Oは、顧客サービスに特化した言語現地化技術によって、サービス担当者やチャットボットが顧客の問い合わせに外国語で対応するのを支援する。人工知能モデルを状況に応じて選択することで、製品名や業界用語、略語、俗語、さらには綴りの誤記にも対応できる。利用者が間違いを見つけた場合には、旗(フラッグ)をつけてランゲージI/Oに報告し、人工知能モデルに学習させることもできる。同社のプラットフォームは現時点で約100言語に対応している。

 「当社のエンジンは、何年もかけて作成された翻訳品質に関するデータセットを用いている。当社の翻訳用に送られてきたコンテントの現物が含まれているという点に特徴がある。競合他社たちは自分たちで翻訳するコンテントだけに依存してモデルを訓練している」と、同社のヘザー・シューメイカーCEO氏は説明している。

 同社の技術は、ゼンデスク(Zendesk)やオラクル(Oracle)、セールスフォース(Salesforce)といった技術大手らの顧客関係管理システムと統合し、API(application programming interface)を介して顧客が独自に蓄積した翻訳データも活用できる。

https://venturebeat.com/2022/01/11/language-i-o-aims-to-strengthen-its-ai-powered-customer-service-localization-service/